マニフェストとは？産業廃棄物処理の基礎知識をわかりやすく解説！

産業廃棄物の適正処理ができているか確認するための書類がマニフェスト。マニフェストとは不法投棄などを防ぐ目的で、産業廃棄物の収集、運搬や処分を確認、管理するための管理伝票です。なぜマニフェストが必要なのか、電子マニフェストと紙のマニフェストとの違いなども解説します。

この記事のポイント

① マニフェスト制度のしくみ

② 電子マニフェストと紙マニフェストの違い

③ 電子マニフェストの注意点

仕組みがわかる！マニフェスト制度とは？

マニフェストは委託契約に基づいて作成しますが、環境省令で定める事項を記載し、廃棄物の処理の行程ごとにチェックできる仕組みになっています。産業廃棄物の排出業者が処理の流れごとにしっかりと把握、管理するために必要になります。

1.マニフェストの主な記載内容

マニフェストの記載内容は以下があげられます。

管理票の交付年月日及び交付番号
委託者の氏名又は名称及び住所
産業廃棄物を排出した事業場の名称及び所在地
管理票の交付を担当した者の氏名（契約担当者ではなく、実際に交付した担当者）
運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称及び住所
運搬先の事業場の名称及び所在地（積替え保管を行う場合は、その場所の所在地
委託する産業廃棄物の種類、数量及び荷姿
産業廃棄物の処分方法（破砕、切断、圧縮など）
産業廃棄物の最終処分を行う場所の所在地（運搬の最終目的地の所在地）
委託する産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれる場合は、その数量

※二次マニフェストの交付に際しては、一次マニフェストに記載されている排出事業者の氏名又は名称及び交付番号を記載する。

主に産業廃棄物の種類や量、処分方法や委託する業者などを記載しますが、紙を使った複式伝票形式のマニフェストと電子マニフェストの2種類があります。紙のマニフェストには5年間の保管義務があるのですが情報化したネットワーク上の電子マニフェストを利用すれば、ネットワーク上での保管が可能に。その場合はネットワークへの加入が必要になります。

2.電子マニフェストと紙マニフェストの違い

電子マニフェストと紙マニフェストにはどのような違いがあるのでしょうか。記載する内容はほぼ同じですが、電子マニフェストは運用や管理の手間が省けて業務の効率化につながります。複雑な紙マニフェストの運用から業務が効率化できるのも電子マニフェストの特徴の一つです。実際に利用した人の声から、電子マニフェストのメリットを探っていきましょう。

紙のマニフェストがとても大変だった

発泡スチロールを産業廃棄物として、毎日、紙マニフェスト伝票の交付が必要でした。交付や返送の管理など、非常に大きな手間がかかるため、実際には管理しきれないという状況でした。業務量が軽減しました。（食品関連会社様）

▽電子マニフェストは紙マニフェストの手書きに比べ、入力漏れや入力ミスを防ぐことができます。伝票を郵送する手間も省けるので業務の効率化につながります。また、控えの郵送を待つ必要もありません。

データのため把握しやすくなった、丁寧に質問に答えてくれアドバイスも

マニフェストの情報がデータ化されるので、実態の把握が簡単にできるようになりました。パソコンに不慣れなので不安がありましたが、丁寧に教えてもらえました。作業の負担が減り紙の保管スペースも不要に。丁寧な対応に感謝します。（製造会社様）

▽紙マニフェストには排出事業者、収集運搬業者、処分業者それぞれに、5年間の保管義務がありますが、電子マニフェストでは情報処理センターに保管されます。紙マニフェストで必要な自治体へのマニフエスト交付報告書の提出も電子マニフェストでは不要になります。

3.電子マニフェストの注意点

これだけのメリットがある電子マニフェストですが、注意点もあります。

終了報告が登録がされている電子マニフェストの取り消しや修正をする場合、委託先の承認が必要になります。10日過ぎても承認されないと無効になってしまいますので、委託先への確認を済ませておくのがポイントです。終了報告後には取り消しや修正は承認の確認をしましょう。

4.マニフェストの交付は排出事業者が行う

処理を委託する際にマニフェストを作成し交付しますが、交付義務は排出事業者になります。委託契約を締結しないでマニフェスト伝票のみを交付することは基準違反になります。記載事項や交付に虚偽があると罰せられますので注意しておきましょう。また、交付や返送のタイミングなども定められているので、廃棄物の管理が不慣れで手間を減らせる方法を選んでくださいね！